環境負荷に本気で取り組んだホンダの技術とCVCC

環境負荷に本気で取り組んだホンダの技術とCVCC

ホンダというと、どうしてもスポーツ走行を中心とした車づくりの会社というイメージがあるでしょう。
F1をはじめ、確かに間違いはありません。
しかし、その反面で環境ということを強く意識した会社であり、環境負荷を掛けないエンジンを作り出すことでも知られているのです。
特に海外では評価が高くなったのは、CVCCというエンジンがあったからといえるでしょう。

【最も厳しい規制を潜り抜けたCVCC】
CVCCは、1972年に発表されたエンジンです。
当時世界一厳しいといわれたエンジンの規制であったアメリカのマスキー法に対して、市場確保のために真っ向から勝負を挑みます。
その規制はパスすることは不可能だとまで言われた厳しさでしたが、初めてホンダがCVCCで突破するのです。
歴史的快挙を刻むエンジンとなったわけですが、技術のホンダとしてはこれを売り物として、前面に出していきたかったのは、当然のことでしょう。
当時の社長であった、本田宗一郎もそう狙っていたのです。

ところが、開発陣は環境問題に対して取り組んだ結果であり、ホンダの売上のために行ったのではないと真っ向から反対します。
本田宗一郎も、その言葉を聞いて反省したといわれており、危うく方向を間違えるところだったと考えたといわれているのです。

【世界に誇ることができる環境負荷の低いエンジンとして】
環境負荷を考えた場合、混合気を薄くすることで、排ガスを減らそうと考えます。
エンジンは、燃料を燃やして動いている以上、必要なだけ燃やせばいいと考えるのは、王道中の王道です。
ただし、混合気を薄くすると、それだけ火が付きにくくなります。
そうなると燃焼不良によって有害物質を増やしてしまうのです。
これでは本末転倒といえるでしょう。

そこで、CVCCは恋混合器を使い、点火プラグで確実に燃やしてしまおうと考えたエンジンなのです。
これにより、有害物質の発生を抑えることが可能となり、排ガス規制に対応することができました。

非常に高性能なエンジンとなったわけですが、こうした前処理をするエンジンを作らなくても、排ガス規制に対応できることがわかってきたのです。
その結果、CVCCを採用することはなくなり、世界的に中心となるエンジンとまでは成長することができませんでした。
それでも、日本の排ガス低減技術を世界のトップレベルに押し上げていったことは確かであり、記念するべき名機であったことも事実なのです。

ホンダのエンジンの中でもハイパワーの名前をほしいままにして行くB16A型

ホンダのエンジンの中でもハイパワーの名前をほしいままにして行くB16A型

走りのホンダといわれるのは、車の出来がいいからであることは確かです。
その走りを支えているのが、ホンダが誇るVTECでしょう。
今では何も不思議なものではありませんが、NAエンジンとして高出力を誇るVTECは、驚くほどの技術だったのです。

【B16A型を名機として引き上げたVTEC】
ホンダのエンジンの中でも、初めてVTECが登場したB16Aは、さまざまなエンジニアが名機であるとほめたたえるほどのエンジンになっています。
リッター100psというとんでもない高出力を市販車で実現するために開発された技術がVTECだったのです。

VTECは、可変バルブタイミング・リフト機構の略で、吸排気の開閉タイミングとリフト量を変化させることができる機構になっています。
中低速のトルクも高く、ハイパワーと両立できているところが重要なのです。
バルブのタイミングを可変させることにより、さまざまな形も生み出していきましたが、B16Aはそのベースとして、高い評価を受けることになります。
初めて搭載したのは、2代目インテグラで、あまりに優れているため、シビックやCR-Xデルソルなどにも採用されていくのです。

B16Aが優れていたのは、何も市販車だけではありません。
EG6型シビックに搭載されたB16Aで、92年から93年のJTCも戦っているのです。
ショートストロークになったB16A型は、信頼性を上昇させ、VTECを搭載して実践を戦っていきます。
ライバルのトヨタにも引っ張られるかのように、NAなのにもかかわらず、1600ccで230psという異次元の領域に入って行きました。

ただし、あまりにもエンジンのパワーが優れすぎてしまったため、他のパーツとのバランスが崩れ、だんだんとレースになって行かなくなって行くのです。
対策はどんどん施されていきますが、一発勝負のエンジンになって行ってしまった感は強くなってしまいました。

【これといって弱点のないVTEC】
B16Aをふくめ、VTECにはこれといった大きな弱点がありません。
もともと、弱点を克服するために作られた機構であるため、それ以上の弱点は存在しないのです。
非常に優れた機構ですが、複雑な作りにはなっているものの、耐久性も高いエンジンでした。

ただし、エンジンとしては複雑化しやすく重心が高くなりやすいことは確かでしょう。
フロントに積む以上、パーツが多くなり重くなるのが問題として考えられます。
それも、ホンダの技術を使い、絶妙なバランスを作り上げたからこそ、VTECは世界に知られる技術となり、ホンダの代名詞をして成長していくことになるのです。
それだけに、B16Aは名機として、今でも誉れ高き存在として記憶に残っているといえるでしょう。

マツダが世界に誇るロータリーエンジンの13B型

マツダが世界に誇るロータリーエンジンの13B型

車の数があるだけ、エンジンもなくては走ることができません。
そんなエンジンには、名車といわれるのにふさわしいエンジンがあるのです。
エンジンの性能によって、車の性能も変わってくるのですから、最も大事なユニットでもあるといえるでしょう。

【マツダとロータリーエンジン】
日本車のエンジンは、総じて燃費がよく壊れないといわれてきました。
そんなエンジンの中でも、特異的な形をし、高出力でドライバーを魅了して行ったのが、マツダの13B型エンジンでしょう。
あまりに特異であり、伝説ともいえる13B型はすでに生産されていないエンジンですが、驚くほどの高性能でもあったのです。

その特異的な部分が、設計にあります。
ロータリーエンジンは、最もわかりやすい構造で、回転する力を得られるエンジンです。
エンジン内部はシリンダーの中をピストンが往復するのではなく、回転運動のみでパワーを得るようになっているのです。

エンジン自体をコンパクトにすることができ、搭載位置も自由度が高まります。
同じ排気量でも、燃焼が2倍の回数になるため、出力も上がるのです。
環境負荷も実は低くなるのは、燃焼効率がいいためで、音も静かだったりします。

その代りに、燃焼が安定しにくく、レスポンスが劣る可能性があり、排気音は大きくなるのです。
さらに、オイル消費量が多くなりやすく、冷却装置も大型にしなければいけません。
低回転時の効率も悪く、燃費も悪くなってしまいます。
未来のエンジンとして期待されているものの、実用化したのはマツダとアウディぐらいであり、現在でも研究を続けているのはマツダだけだったりもするのです。
だからこそ、マツダの代名詞とまで言われています。

【名機といわれた13B-REW最終型】
13B型は、マツダが自信を持って送り出したロータリーエンジンであり、非常に高性能で、排ガス規制にも対応しました。
燃費もかなり改善し、ターボを搭載したときのような高出力と低燃費を実現するようになって行ったのです。
特にRX-8に搭載した最終型は、ほぼ再設計といってもいいほどの進化を見せたエンジンで、将来ロータリーエンジンが成し遂げるだろう、一つの形を見せたといっていいでしょう。

ここまで有名なエンジンとなった背景には、RX-7の存在もありました。
13B-REWはツインターボを搭載したうえで、280psを記録したエンジンでもあるのです。
トルクも分厚く、さまざまな伝説を作り上げたエンジンでした。
ターボラグを解消させるために、低回転低負荷と高回転高負荷域で使い方を変えていたりしたのです。
その中でも最終型は名機として知られており、これ以上ない改良が施されたハイパワーエンジンだったといえるでしょう。